この資料は、物流センターの「建屋面積計算」における法的規制、構造的仕様、およびシミュレーションの仕組みを解説したものです。
物流スペースの集計値(面積)に「縦横比」や「階数」といった寸法の概念を加え、具体的な建物の形をイメージするためのステップです。主要なポイントを整理して解説します。
配送センターの建設には、都市計画法(用途地域)や建築基準法、消防法などの膨大な法的規制が関わります。
専門性の必要性: 立地選定は専門家(建築士等)の知見が必要ですが、初期段階で「用地面積(建屋面積)」のイメージを持つことは、社内検討において極めて重要です。
参考値としての算出: Tera計算2が提供する図面や寸法はあくまで「概算面積を算出するためのイメージ図」であり、最終的な確定には有資格者による設計が必要です。
面積を具体的な寸法(幅・奥行)に変換するための設定項目です。
建屋縦横比: 1:1や2:1は少なく、3:2や4:3といった長方形の形状が多く採用されます。
外壁・柱・防火壁:
外壁: 厚さ200mm。投影面積は壁厚の芯(100mm内側)を基準に算出します。
柱: 1階建てで700mm角。階数が増えるごとに100mmずつ太くなり、ピッチは10mを想定しています。
防火壁: 延べ面積1,500㎡ごとに設置が必要です。
階高の設定: 1階は高床式(1,000mm)を想定。各階の床上高さは7,000mm、床厚+梁高を1,000mmとして階高を算出します。
庇(ひさし)と建蔽率:
庇は雨除けの屋根で、その面積の50%が建屋投影面積に加算されます。
建蔽率の計算: (建屋投影面積 + 庇面積×50%) ÷ 敷地面積 で算出されます。
垂直搬送設備: 2階以上の建物では、1,500㎡ごとに幅1.5mの非常階段と貨物エレベーター(2.3m角×1.5セット)の面積が自動的に追加されます。
通常は1棟で完結しますが、パレット自動倉庫を「ラックビル(棚が建物の骨組みを兼ねる構造)」として別棟にする場合があります。
吹き抜け構造の回避: 自動倉庫は高層化するため、母屋に組み込むと床のない吹き抜け構造になり、コストや構造に影響します。別棟にするかどうかの検討は、敷地内の通路幅などレイアウトにも影響を与えます。
Tera計算2では、以下の要素を組み合わせた40パターンの建屋タイプを一括計算し、一覧表(Excel出力可)として提供します。
別棟の有無(2区分)
階数(5階まで)
庇の有無(2区分)
バースの配置面(2区分) この一覧表から得られる建物情報が、次のステップである「敷地面積計算」の基礎となります。
| 建屋面積計算画面 物流スペースは、各設備面積の合計面積である。 面積の概念のみで寸法の概念はない。 建屋面積計算で建屋幅と奥行寸法比で建屋寸法を計算する。 |
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第4項 多階層と庇(ひさし)
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| 庇(ひさし)は配送センター入出庫口に設けられた雨除け屋根のこと。 3階以上の建物は庇が無く、建屋内にトラックが入る(Tera計算ではバース組込型と呼ぶ)形が多い。 庇は庇面積の50%が建屋投影面積に追加され、建蔽率=(建屋投影面積+庇面積*50%/)/敷地面積となる。 |

| 2階以上の建物は非常階段・エレベータの面積を追加される。 Tera計算では、建屋全面積に対して1500m2ごとに防火壁を設置、1500m2ごとに1.5m幅の非常階段と(2.3m2*2.3m2の貨物エレベータの面積*1.5セット)を追加している。 |
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| 通常、配送センターは複数の建屋ではなく1棟の建屋で完結されている。 しかし、まれに自動倉庫をラックビル(棚部材に利用壁屋根を張付けた建屋柱が無い建物)にして別棟を建てる例がある。 まれでは有るが敷地レイアウト(特に敷地通路幅)に影響を与えるのでTera計算2に組込むことにした。 自動倉庫は投資効果を高めるため段数を多くなる、段数が多くなると2階や3階が吹き抜け構造になる。 建屋の床無し(吹き抜け)構造は構造的にもコスト的にも良いものではない。 自動倉庫を導入する場合は自動倉庫を別当にするか、配送センター(母屋)に組込むかは検討に値する事項と考えている。 |
第7項 建屋タイプ40パターン計算 |
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| 建屋タイプ40パターンは、別棟区分2(別棟A及び別棟Bは同じ面積)*階数5*庇有無2*バース面2=40 通りある。この40通りの面積と主要寸法を計算し一覧表(Excel出力可能)にしている。敷地面積画面はこの一覧表よりは建物情報を得ている。 |
| 建屋面積画面の階数・別棟有無などの設定を変更して建屋(母屋)の縦横寸法の表示変化を確認できるが、この表示は一時的な表示で敷地面積計算には反映されない。(建屋タイプ40パターン計算が敷地面積計算に使用される) |
| 建屋面積画面に建屋(母屋)の寸法を表示しているが縦寸法を変更して、横寸法を確認できるようにしているが、この表示は一時的な表示で敷地面積計算には反映されない。 |
| 面積計算には使用しないが建屋のイメージを得るために高さ方向の寸法を表示している。 |
| 別棟を採用した時のPL自動倉庫(ラックビル)の図と概略寸法を記載している。 |